うつ病による身体の変調

うつって何だ

こちらの記事でうつ病発生の原因について触れましたが、うつ病は脳および自律神経系に問題をきたしている状態です。この自律神経の乱れにより、心と体に大きな異変が生じてしまいます。

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別記事で心の変調について書きましたが、今回は身体の変調について書いていきます。

身体の変調をたとえて言うと

なった人にしかわからない苦しさなのですが、体の変調として健常者の日常でありうるものとしてたとえて言うなら、このような状態です。

  • 仕事で完徹を繰り返して、心身滅入っている状態
  • ひどい二日酔いで、身動きが取れない状態
  • インフルエンザで、(熱が出ないまでも)まったく外に出られない状態

初めは自分の身体がどうにかなったのではないか、と思ってしまいます。しかもこれがずっと続いて中々症状が回復に向かわない、というのがこの病気の難しさだと思います。

具体的にどういう症状が出てくるのか触れていきます。

睡眠障害、不眠症

「睡眠障害」は、うつ病患者で多くみられる症状のひとつです。うつ病のほとんどの人は睡眠障害があり、十分な休養がとれません

睡眠障害はさまざまな病気や状態によって起こることがありますが、うつ病の場合、睡眠障害のある人は8割ほどと、かなり高い率であらわれるようです。うつ病でみられる睡眠障害は、不眠と過眠の2つに大きく分けられますが、うつ病での典型的な症状は不眠です。不眠の症状は自分で気づきやすい症状のため、ほかの症状があらわれる前に気づくことが多いと思います。

うつ病が原因で眠れない状態が続いている場合、単に寝られないだけだと思って睡眠薬だけでよくしようとしても、うつ病自体はよくならず、睡眠の質も改善しない可能性があります。うつ病は脳・自律神経系の疾患ですから、睡眠ということの向こう側に対処すべき問題があります。

また、うつ病になると、浅い眠りが多くなることによって、脳が休まらない状態になりやすいといわれています。

うつ病でみられる不眠の特徴

不眠の種類としては、「なかなか寝付けない(入眠障害)」、「夜中に何度も目が覚めてしまう(中途覚醒)」、「早朝に起きてしまう(早朝覚醒)」、「眠りが浅くなる(熟眠障害)」の4つがあります。これらのうち、典型的なうつ病では、早朝覚醒の頻度が特に高いといわれています。普段よりも2時間以上早く目が覚めてしまい、再び眠ることができません。

私もそうでしたが、この不眠という症状は非常につらいです。身体がヘトヘトに疲れ切っているのに眠れない。特に私の場合は眠れないというか、すぐに目が覚めてしまう。ベッドに入って浅い睡眠はとれるものの3時間ほどたつと目が覚めてしまいます。一度覚醒すると、中々寝れるものではありません。ベッドでゴロゴロしたり、気分を紛らわせるようにストレッチや軽い食事をとろうとしても睡眠は訪れません。長い夜を一人過ごした後、そして、そのまま朝が来ます。 眠れないからと言って夜中に睡眠薬を追加してしまうとその場は寝れますが、翌朝は睡眠薬の解毒が追い付かず非常に頭が重たくなってしまいます。

不眠で朝がつらく、1日の体内リズムが崩れる

典型的なうつ病の場合、特に朝から午前中にかけて症状が重くなるケースがよくみられます。その原因の1つになっているのが不眠です。

早く目が覚める、眠った気がしないなどの症状があると、以前と比べてからだや脳の疲れがとれない状態のまま朝を迎えることになります。すると、からだが重い、だるいと感じるようになります。つまり、うつ病では本来の体内リズムが崩れた状態になってしまうのです

人間の身体は朝目覚めて、明るい光・日光を浴びることで一日の体内時計がリセットされます。そのリズムがおかしくなってしまいます。

「不眠」ではなく、「過眠」になることも

「睡眠障害」=「不眠」と考えている人が多いと思いますが、うつ病で過眠になることもあります。どんなに眠っても疲れがとれず、いくらでも寝てしまう、といった状態です。少なくとも1か月間、日中に過剰な眠気または実際に眠り込むことが毎日のように繰り返してみられる場合に過眠とされます

疲労感・倦怠感

うつ病であらわれるさまざまな“からだの症状”のうち、「疲労感・倦怠感」は、睡眠障害に次いで、よくみられる症状です。うつ病の半数以上の人には「疲労感・倦怠感」があらわれるといわれています。最初に「疲れがとれない」、「からだがだるい」といった理由で医療機関を受診して、その後うつ病と診断される人もいます。

私たちは日常、精神的あるいは肉体的な疲れが生じる状況に置かれていますが、つらいことがあっても、からだのバランスをとれるようになっています。しかし、うつ病の人では、疲れるようなことはしていないのにとても疲れたり、疲れが続いて最低限の仕事さえ努力をしないとできなくなることがあります。

この疲労感というのは、健康な時の疲労の感じ方とはレベルが異なります。

私はずっと趣味でマラソンを続けていて体力にはすごく自身があります。また身体を壊す前は夜遅くまでバリバリ働いていましたので、普通の人の体力レベルはかなり超えていると思います。しかしながら、一度仕事を休んで復職してからというものの、1日会社で座っているだけで疲れ切ってしまいます。子供が保育園に通ってたので、お迎えを会社帰りにしたのですが、疲れから動けなくなってしまい、その場に座り込んだこともあります。あまりの変調に自分の身体がおかしくなったのではないか、とさえ思えるほどでした。当時の様子を書いた記事がこちらです。

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さらに、うつ病となると、たとえば、朝、顔を洗ったり、寝巻きから着替えたりするのがしんどいなど、ちょっと動いただけでも疲れが出てしまいがちです。人によっては、座っているだけでも疲れてしまい、すぐに横になりたくなります。

「ひどい」自律神経の乱れ

うつ病にかかると、自律神経がひどく乱れます。自律神経失調症からうつ病に進展することも多々あります。この自律神経の乱れにより、身体の色々なところに症状が出てしまいます。

動悸・息苦しさ・口が渇くなど、一見うつ病とは関係のないような症状があらわれることがあります。うつ病の人にあらわれる動悸・息苦しさ・口が渇くといった症状の原因が、自律神経の乱れによるもの(自律神経症状)である場合があります。

自律神経は、からだ中を張り巡っている神経で、ほとんどすべての臓器を調整しています。臓器自体に異常がなくても、それを調整する自律神経のはたらきに問題があれば、さまざまな症状があらわれる可能性があります。

うつ病とまでは行かないのですが、恥ずかしながら食べ過ぎで内蔵の負担がかかりすぎて自律神経がひどく乱れたことがありました。その時、階段の上り下りや駅まで歩くといったごく軽い運動さえつらいほど、動機・息苦しさを感じることがありました。自律神経の乱れは様々な症状につながっていきます。 自律神経の乱れによる症状は、人によってさまざま1)

うつ病になって自律神経が乱れることが原因であらわれる症状として、たとえば、めまい、頻脈、血圧の変化、胸の圧迫感、胃の不快感、腹部膨満感、便秘などがあります。

うつ病にともなう「からだの痛み」とは?

頭が痛い・重い、首筋や肩がこる、背中や胸が痛い、
関節が痛い…

うつ病の症状はさまざまで、こころだけではなく“からだの症状”があらわれることがあり、「からだの痛み」もうつ病にともなうことがあります。

頭が痛い・重い、首筋がこるなどは、うつ病でなくてもあらわれますし、これらの症状がみられる場合は、医師に症状を詳しく話して、他の病気が隠れていないか確認した方が良いかもしれません
しかし、症状が長く続いているのに検査をしても異常がなく、抑うつ気分や興味または喜びの喪失などの“こころの症状”とともに、からだの重さや痛みがあらわれている場合は、うつ病にともなう「からだの痛み」である可能性も考えられます。

うつ病では、セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンといった神経伝達物質の量が減少したり、働きが低下してくることで、さまざまなうつ病の症状が現れるということもあります。セロトニンやノルアドレナリンには、痛みを抑える働きがあるとも考えられています。そのため、これらの神経伝達物質が不足した状態になるうつ病では、「からだの痛み」が抑えにくくなっているのではないかとされています。

「食欲の減退」

うつ病にかかると多くの方は以前とくらべて食欲が変化するといわれています。食べたくなくなる(食欲の減退)、たくさん食べたくなる(食欲の増加)の2通りがありますが、よくみられるのは食欲の減退です。食欲がなくなっても無理をして食べている人もいるのですが、そのように食べても味気がなく、おいしいと感じられません。「砂をかんでいるよう」と話す方もいます。また、食べることそのものが苦しいと感じてしまうこともあります。

一方、食欲が増加してしまうこともあります。この場合、甘いお菓子や炭水化物など、ある食べ物だけをたくさん食べてしまうことがあるのですが、食べても食べても満腹感が得られません。食べ過ぎてしまうため、太ってしまうことがあります。

うつ病にかかると、このように様々な症状が現れてきます。自分の身体がおかしくなったような気がしてしまうのですが、病気による症状です。

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