うつ病と双極性障害の違いをきちんと知ろう

うつって何だ

うつ病と双極性障害は異なる病気なためきちんと知って回復につなげましょう

うつ病と双極性障害。似たようなところがありながら、まったくの別物です。治療方法も異なります。精神科医の問診で診断されますので、自分自身がどのように日常生活を感じていて、それをどう主治医に伝えるか。それで診断が変わることがあります。
私自身、うつ病と双極性障害との間で診断が変わりました。

誤った診断により治療で、治療が長引くことがありえます。

この2つがどう違うのか見ていきましょう。

双極性障害とは

「双極性障害」とは、躁状態(気分が高まっている状態)とうつ状態(落ち込んでいる状態)を繰り返す脳の病気です。程度によって、さらに2つに分類されます。激しい躁状態とうつ状態のある双極Ⅰ型と、軽い躁状態(軽躁状態)とうつ状態のある双極Ⅱ型があります。
躁状態では、気分が高ぶってしまうことがあげられます。徹夜で行動ができてしまう、誰かれかまわず話しかけたり、非常に活動的になります。ギャンブルへ財産を投じてしまったり、高額のローンなどでショッピングをすることがあります。上司との口論の結果、職を失ったりする激しい状態になることさえもあります。一方で、普段より変に活動的となって、周りの人からは「どうもいつもの状態でない」「ハイテンションで元気すぎる」と思われるような軽い状態は、軽躁状態と呼ばれます。
対して、うつ状態では、一日中憂鬱な気分となります。また、眠れなくなったり、または逆に眠りすぎたりします。大好きだった趣味やテレビ番組にも関心がなくなったり、食欲が低下し、おっくうで身体を動かすことができないといった症状もみられます。

一般的に、本人は躁状態を病気だと認識できません。普段より体調・調子が良いと感じられ、「この状態が自分の本当な状態だ」と思う方もいます。このため、気分が落ち込んで苦しくなったうつ状態のときに診察にかかかるということが、ほとんどです。とくに双極Ⅱ型の軽躁状態はⅠ型のように激しくないので、うつ病と診断されてしまいがちです。海外では、うつ病の症状で受診した患者さんの16%が双極性障害だったという報告もあります。

うつ病、および双極性障害Ⅰ型、Ⅱ型の違いについてイメージ図で示すとこのような形になります。

治療・処方薬の違い

うつ病と双極性障害では処方される薬が異なります。

双極性障害のうつ状態にある症状に対して抗うつ薬を服用してしまうと、うつ状態から急に躁状態が出現する躁転症状が引き起こされることがあるため注意が必要です。特に三環系抗うつ薬と呼ばれる昔からあるタイプの抗うつ薬を用いてしまうと、躁転反応に加えて、1年のうちに4回以上も躁状態とうつ状態を繰り返す急速交代化(ラピッドサイクリング)を誘発してしまうという問題が指摘されています。このため、双極性障害の治療に抗うつ薬を使わないほうがよいという意見が優勢です。

双極性障害の薬には 「気分安定薬」と「抗精神病薬」が用いられています

気分安定薬

気分安定薬は、躁状態とうつ状態の治療と予防に効果があり、双極性障害治療の基本となる薬です。現在、日本で気分安定薬と呼ばれているものには、リチウム(リーマス)、バルプロ酸(デパケン、バレリン)、カルバマゼピン(デグレトール)、ラモトリギン(ラミクターノレ)があり、使用されています。

非定型抗精神病薬

非定型抗精神病薬は、ドーパミンなどの神経伝達物質を遮断する薬です。統合失調症の治療などにも用いられていますが、双極性障害の治療にも効果を発揮します。気分安定薬との併用が一般的です。現在、国内で保険適用となっているのはアリピプラゾール(躁症状の改善)とオランザピン(躁症状、鬱症状の改善)の2種類です。

抗うつ薬

抗うつ薬は脳の機能に着目して薬が開発されています。

脳の機能は、電気信号を発して情報をやりとりする神経細胞のネットワークによって成り立っています。そのネットワークをつくる神経細胞と神経細胞の接続部をシナプスとよびます 。このシナプスで神経伝達物質がやりとりされます。脳内にあるシナプスには受け手側で受け取られなかった神経伝達物質を、もう1度送り手側に戻すシステム(再取り込み)があり、送り手の神経細胞にもその受容体があります。

抗うつ薬はここに着目されていて、SNRIと呼ばれる種類は、この再取り込みの受容体をふさいで再取り込みの機能を下げて、シナプス間隙に神経伝達物質を増やそうとします。脳内のシナプスの大変狭い隙間で送り手側に再度取り込まれることを防いで、隙間全体の神経伝達物質の量を増やしたりしています。抗うつ薬には次の種類があります。

  • SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
  • SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
  • NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)
  • 三環系抗うつ薬
  • 四環系抗うつ薬

主治医との向かい方

うつ病、双極性障害の診断は、主治医となる精神科医の問診がベースとなります。問診なので、患者さん本人とのコミュニケーションにより主治医が判断します。

私自身も経験があるのですが、主治医によっても診断が変わるし、自身の体調の様子の伝え方によっても診断が変わります。事実私は、自律神経失調症・適応障害>うつ病>双極性障害>自律神経失調症>うつ病 と何度となく診断が変わりました。特にうつ病と双極性障害Ⅱ型は紙一重のようなところがあると個人的に思います。

うつ病であっても少し体調が良くなることはあるでしょうし、うつを発症する前はバリバリ、労を惜しまず働いていた方が多いと思います。また、ストレスが強くなると攻撃的な性格が現れることもあるでしょう。そのような様子を主治医に伝えることで、主治医が双極性障害と判断されることがあると思います。

「躁」という判断は慎重になされるべきと考えられます。

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