うつ病からの転職を上手く進めるコツ

回復のヒント

なぜうつ病からの転職がうまく行かないのか、それを探りながら上手くいくコツをお伝えします

人間関係や仕事の辛さから体調を崩して会社を辞める。それも人生の選択としてはありなのだと思います。しかしながら、「うつ」という背景をもって体調を崩す前と同じように一般企業に転職をする。これは、かなりハードルが高いと思います。中々思うようにいかないと思います。そのため、普通の転職以上にしっかり準備して臨む必要があります。

私も体調を崩していた時期に実際に転職活動をやってみましたが、結果的にはうまく行きませんでした。書類選考ですら、中々通りません。この記事では私が実際に面接で聞かれたことや、採用する側としては何を考えているか、「うつ」という背景がありながら書類選考・面接を上手く進めるコツについてまとめます。

ちなみに、私は現在では完全に回復していて、今の会社では採用の仕事もしています。採用する側としての気持ちもミックスして記事にしました。
採用活動もコストがかかるものなので、上から目線になっていることは承知の上で記載しています。この点については失礼もあると思いますが、企業側の気持ちを淡々と記載しているので他意はありません。ご容赦ください。

書類選考の壁

転職活動の合否を分かりやすく実感させられるものとして面接がありますが、まずは書類選考を通過しなければなりません。面接にたどり着く前に、「うつ」という病歴があると書類選考の壁を突破しないといけません。面接に行けるよう、書類合格率を上げる必要があります。

書類選考では、まずきちんと書類が書けているか。その上で、経歴・実績・年齢を確認して、会社に入って働けるイメージがあるか、ということについて見られます。

この記事は「うつ」に関するものとして、書類選考での一番のポイントをお伝えすると、

それは、休職歴、転職歴 です。

履歴書に穴が空いていると、そこに企業側はまず目が止まってしまいます。転職の回数が多いと、定着しないイメージをもってしまいます。

採用した人がまたすぐに体調を壊して休職するなどしたら、会社側としてはリスクになります。採用にも大きなコストが発生します。採用では、面接官の労働コスト、人事などの管理コスト、エージェントへの支払い(年収の3割くらいもっていかれます)、広告費など多岐にわたります。採用についても企業活動の一環ですから、最大限の効率化、最小限の費用をベースに行われます。それゆえに、応募者の休職理由はきちんと確認し、直近の出来事であれば尚更丁寧に確認することになります。私の会社では、休職歴や経歴に穴が空いている場合はチェックされ、その内容を厳し目にチェックされます。休職理由を確認して記載をするような管理欄さえあります。

事実、私の会社では、うつ病だということを隠して入社される方がかなりの数でいます。こうした方は、入社後しばらくして体調を崩して休職されています。そのため、職務経歴を厳しく見る指導が社内でも強く言われています。

このブログは体調を崩した方が多くご覧になってるかと思いますが、冷徹に事実はこうなります。

対処としては、次のようなことになります。ただ、丁寧にやれば、逆にその丁寧さや体調が大丈夫だということの裏返しの安心として、企業側は捉えることができます。実際、そうやってもらえれば書類は通すこともできるのに、やらずに落ちるケースがほとんどです。

①現在の体調状態
治っているのであれば、問題ない、ということを書類できちんと説明するべきです。自身の言葉だけだと説得力に欠けます。経歴書への添付書類などで体調の状況や医師から一筆もらってもいいと思います。

②休職、体調を崩した原因の説明
なぜ体調を崩したのか。これを明確にしておく必要があります。それが転職先の職務内容とは関係がない、ということを説明するとより良いと思います。

これらについては、職務経歴書に特記事項などで記載しておくとわかりやすいです。

少し大きな会社であれば、書類選考は人事部>事業部門という流れで進みます。まず初めにコンタクト先となる人事部の関門のところで、過去の健康状態などでばさりと切ってしまう傾向があると思います。私の会社では、書類選考でおおよそ3/4は切られてしまいますので (健康上の問題だけでないかもしれませんが) 、書類選考のハードルもそれなりに高いものとなってます。

面接の壁

書類選考を通過すると、次は面接の壁がきます。

面接対策、面接で聞かれること

中途採用であれば、面接では必ず

  • 転職理由:なぜ会社をやめたのか、あなたのキャリアになぜ転職が必要なのか
  • 志望動機:新しい会社で何をしたいのか、なぜこの会社に入りたいのか
  • 経歴:職務経歴、自己アピールなど、何があなたにできるのか
  • 職業選択の基準:どういう基準で会社を選んでいるか、何を優先したいのか
  • 会社への理解:どのようにこの会社の業務を理解しているのか

ということについて聞かれます。中途採用ということであれば即戦力として面接時には評価されます。転職経験が何度かある人については、その傾向などについても確認しようとします。転職が多いと定着しないリスクと捉えられます。

会社をやめた理由、そして、新しい会社で働きたい理由。そこに実績を絡めて何ができるか。この3つが論理的にミックスしていないと、面接官は不審に思います。不整合があるということは、自分の頭の中が整理されていないのか、きちんと言えていないのか、能力が低くて説明が分かりにくいのか、ひょっとすると嘘をついているのか(失礼ながらたまにあります)、と考えます。

・上司が合わなかった。そのため、人間関係を一から構築したい、人的ストレスから解放したい
 →深掘ってみると、次の会社でもうまく人間関係が構築でそうか?他責にしているのであれば、その理由は妥当か?誰とでもコミュニケーションが取れそうか?
・仕事が過負荷だった。そのため、もっと負荷の少ない環境で仕事がしたい。 
 → 深掘ってみると、 同じ状況になったときに、うまく調整ができますか?自分の意思でコントロールはできるか?やりたい仕事なのか?仕事のあきらめがあるのか?
・前の仕事の~~というのは自分にあっていない。事務などの違った職種を希望したい。 
 → 新しい職種での業務内容を理解しているのか?その実績はあるのか?なくともスキルギャップを埋める活動をしているのか(資格取得の勉強など)

面接官は、説明に不整合や納得感が無くとも、「言ってることはおかしいですよ」とは面接時にははっきりとは言いません。もし面接での不合格が続いているようでしたら、自分の中で何を言っているのか自己分析する必要があります。自分で気づく必要があります。

はやる心の制御

また、面接に臨む側としては、採用されたい!という気持ちがきっと強くなっているはずです。実はもう少し楽に働きたい、という気持ちがあったしても、それを隠してしまう、なんてことになることもあります。実は、私はここに矛盾をきたしていて、ことごとく失敗しました。その時のブログ記事です。

本当に転職が必要なのか。転職の準備(心と体)はできているでしょうか。自分の中での整理をきちんとする必要があります。ナーバスな状態となっていると、実際、そこまで整理ができていない人が多いのです。

「うつ」で辞めているのであれば、現在の体調についても聞かれます。問題なく働けるか。転職活動をしていた当時、私はちょっと意地悪な質問もされました。

面接官:残業はどれくらいできますか?

私:(できないんだけど)50時間くらいなら体調としても問題ないと思います。

と答えました。その後、今の会社で業務を継続することになったのですが、まだまだ体調が安定しない時期。残業なんてもってのほか、のような状態でした。そのまま転職してしまったとすると、ぞっとします。

面接では健康状態や、新しい会社に入ってから長く、タフに働けそうか、という観点からの質問を多くもらいました。直接的に健康状態はどうですか?と聞かれることは少なかったのですが(逆に自分が問題ない、と言い切ってしまえば、面接官としてはそれ以上突っ込めない)、過去の仕事ぶりや、今後やりたいこと、志望動機などを通じて体調や志望理由などを上手く探ろうとしてきていました。そのためにも少しストレスがかかるような質問の仕方もされました。

経歴や能力の面ではなく、健康面から採用プロセスの中で落とされた、と感じていました。
うつとなる前は引く手あまただったものの、 状況が一変しました。

転職する理由や健康状態をどう伝えるべきか、隠すか

会社を辞めた理由。様々でしょう。後ろ向きなことがあると思いますが、まず、程度の問題はあれど本心をきちんと言うべきです。本心と違うことを言っていると矛盾が出てきたりします。採用する側はそれを巧みに見分けます。 転職活動をしてみると、自分の病状を伝えるべきか、すごく迷うと思います。採用する側もプロですから、隠しておいてもすぐにばれます。

健康状態は面接では必ず聞かれます。休職期間などは経歴書でわかりますから、隠すのではなく自分から言う方が良い印象を与えると思います。問題ないのであれば、問題ない、ということを言いきらないと、そこでアウトになります。私の会社ではそうです。健康状態のチェックリストがあり、面接後にそれを埋める必要さえあります。

また、それより大事なこととして、健康状態を伏せて転職活動がうまく行ったとしても、転職した後に苦労が待っています。会社を変えるということは心理的にも大きな負担となります。転職して体調が安定せずに再び体を壊す。そして復職もできない、という負のスパイラルに入ってしまう人を多く見てきました。こうなってしまうと、おそらく人生を壊してしまうことになりかねないと思います。 下手な嘘は身を亡ぼすことになります。

採用する側として何を考えているか

面接される側としてどういうことを聞かれるかという視点で書いてきましたが、逆の視点で採用する側はどう考えているのか、という視点でこの後書きます。

企業の合理性について

企業活動はすべて経済的な合理性のもとに活動されています。営業などいった売り上げに関するものだけでなく、会社のコストに関するもの、採用活動についても経済的合理性がもちろん裏にあります。企業として採用活動で大事なことは最小限のコストで、最大限良い人材を獲得する、ということに尽きます。

昨今の転職市場については、売り手市場と言われる状況ですが、採用側としては魅力的な人と仕事をしたい、と当然思います。その人はやる気に満ち溢れているか。会社に貢献してくれそうか。健康的に問題はなさそうか。面接を通じて、その人を深く知ろうと思います。

よく、面接はお互いを知ること、面接をされる側も会社を知る機会、と言われますが、合格に値する人がこのステージに立てるのであって、そうでなければ悪い印象を会社に持たれないように受け答えをする、にとどまります。不合格の方に対しても、良い印象を持ってもらえるよう、会社に対する質問に対しては誠意をもって答えますし、あまりに合格ラインに達していない人でも面接時間は最後まで使い切ります。最後には会社紹介の冊子もお渡しして、会社の外まで見送りに行きます。ああこの会社で働いてみたいな、と思わせようとします。ドライですが、事実です。

履歴書、職務経歴書を見れば、過去の仕事の取組みなどが見えてきます。採用側もプロですから、この人はなんとなく危ない、ということは一瞬で見抜いてしまいます。書類を送付されてきた人間に対してすべて会うことはできません。ピンとくる魅力的な人にあってみたい、と思うはずです。その会社で「長く」働けそう、一緒に働いている姿が想像できる、そういう人をスクリーニングする技術に秀でています。

前段に記載しているのですが、採用もコストがかかる企業活動です。一番効率の良い採用プロセスを取る、というのは企業としては合理的な進め方です。採用で人件費がかかる活動は採用面談です。一人当たり60分が面談の時間だとしても、面接官の調整、事前のレジュメ確認など実際の面談時間の倍以上は時間がかかるものです。また複数の採用段階があるのが一般的なので、それに応じた人件費がかかります。ですので、採用面談に進む前に書類でかなりの数を落とすことになります。その方が採用コストとして合理的だからです。

私は中途採用一次の面接官をしていますが、面接の合格率はおおよそ2割程度です。うち半分は実績・スキル不足。年齢なども加味し、会社で働いてパフォーマンスが出るイメージがわかないケース。あとの半分は、上記に記載していますが、転職の契機、実績、志望理由の一環性の無さです。後者は準備不足と考えられます。失礼ながらお互いに時間の無駄になるので、準備は納得のいくところまでやってほしいと思います。

転職して何をやりたいか、何ができるか

会社側は、志望者の年齢を確認し、同じような年代の社内の人間が出せているようなパフォーマンスを出せそうか、書類・面接の中で過去の実績から確認することになります。 会社に入ってもらって、現在のスキルから何ができそうか、逆に何が課題となりそうなのか。前職とは異なる職種での転職を希望されるケースでは、私も面接官をしている場合にはよく聞く内容です。

前職で何か嫌な出来事があって、別の仕事を探す。その仕事の探し方として、ご自身のキャリアの延長線上となっている仕事となっているでしょうか。仕事なので、やりたいこと=言い換えるとやりたくないこと、と、やれること、というのは全くの別物です。

これが理解できていなくて面接で不合格となる方が非常に多いです。過去の経歴からどういうスキルをもとに会社に貢献していきたいのか明確になっていない。また、志望の理由もこの分野に興味がある、といった内容での返答の方が多いです。興味があるだけだと、中途入社では採用は難しいです(すくなくとも私の会社では)。

転職活動がうまく行かないということについては、ひょっとすると、ご自身でやれること、ということについて、自分のハードルを下げる必要もあるのかもしれません。

数打てばあたるという考え

転職活動も思うように進まないと、たくさんの企業に応募して、数打ちゃ当たる、という考えになるかもしれません。確かにたくさん応募すれば合格する可能性は高くなるかもしれません。が、逆にそういう企業がなぜ採用しようとするのか、よく考えた方が良いと思います。「うつ」ということを見抜けない面接官の力量が低いのか、「うつ」であっても採用してダメだったらその時に考えればいいと考えているのか。もしくは、「うつ」という状態であっても、本当にちゃんとできる仕事を提供できるように考えられているのか。おおよそ、このどれかだと思います。

最後に

なお、この記事では、転職するにあたっての質問などにまとめましたが、「うつ」というハンディをしょって転職するもは大きなハードルが待ち構えています。私は結局転職せずに(できずに)本当によかったと思います。転職のデメリットについてまとめています。

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コメント

  1. Mizuki.O より:

    今、障害者枠の一般就労を目指しています。私は高校も大学も中退です。仕事の空白期間もあります。A型作業所に通っています。なかなか書類選考を突破出来ません。このブログを参考に一から出直したいと思います。ありがとうございます。

    • goodlifemichi より:

      書類の突破が一つのヤマかもしれませんね。人で不足が叫ばれる今日、どこか働き口はあると思います。地道に探して就職されることを陰ながら応援します。

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