うつで使える公的な支援制度

健康な時には税金の高さばかりに目が行ってしまうののですが、健康を損ない立場が弱くなると支援される制度が非常にありがたいものです。日本では、病気などで満足に働けない状況になった人を支える公的な支援制度が充実しています。持病を持ちながら両立させようとしている人、一度休職してしまって復職を目指す人、失業して再チャレンジを目指す人。色々なニーズをくみ取って幅広い支援があります。

一度うつ病になってしまうと、その治療は長期に渡ります。治療費のみならず、生活を支える仕事の基盤さえゆらいでしまします。経済的な問題を解決し、賢く使えるものは情報を得て使っていくことが大事です。

経済的に少しでも役立つ制度について整理しました。

傷病手当

仕事をすることができず休職になってしまった際、傷病手当が支給されます。

会社としてでなく、その会社が所属している健康保険組合からの支給となります。(会社は支給期間ではないので、賞与の基準となる勤務期間からは除外されます)

傷病手当金の額は、就労できない日1日につき、標準報酬日額(会社で働いていたらもらえる給料)の2/3が支給されます。期間は最長で1年6か月となります。

健康保険組合によっては、傷病手当金の上乗せの給付を行っているケースもあります。所属の健康保険組合に確認するのが一番確実です。健康保険組合のサイトはこちらです。

■標準報酬月額

まず入社時の報酬によって決められ、毎年決め直されます。また、報酬が大幅に変動したときも決め直されます。

※報酬とは、基本給、残業手当、住宅手当、通勤手当、家族手当、勤務手当など労働者が労働の対償として受け取る

すべてのものをいいます。年3回以下の賞与は含まれません。

■標準報酬日額

標準報酬月額÷30日 (10円未満四捨五入)

■支給日額

傷病手当金・出産手当金支給額は1日につき標準報酬日額の3分の2に相当する額(1円未満四捨五入)です。

事業主から給与の支払いを受けた場合は、傷病手当金・出産手当金の支給額が調整(減額)されます。

引用元:傷病手当金支給日額・出産手当金支給日額早見表

傷病手当金の申請条件

傷病手当金の申請にあたり、支給条件として以下を満たしている必要があります。うつ病などで休職されていれば、普通は申請が通るものです。会社ごとの就業規則となりますが、私の会社では3日目までは有給休暇となり、4日以上となると私傷病欠勤(=休職)となります。

  • 社会保険の健康保険加入者であること
  • 私傷病により、(連続する3日間を含む)4日以上仕事に就くことができないこと
  • 休んだ期間の給与の支払いがないこと

自立支援医療(精神通院医療費の公費負担)

精神科の病気で治療を受ける場合、外来への通院、投薬、訪問看護などについて、健康保険の自己負担のお金の一部を公的に支援する制度が、自立支援医療(精神通院医療費の公費負担)になります。(入院については対象となっていません) 治療期間が長期に渡ると地味に治療費がかさみます。医師の診断書には費用がかかるケースが多いですが、一度申請が通ってしまえば負担額が変わるので利用するのがおすすめです。

申請する窓口は市町村で、この制度を利用すると、医療費の自己負担額が原則として1割に減額されると同時に、所得に応じて1ヵ月あたりに支払う金額に上限が設けられます。

世帯所得(納税額)による区分が設けられており、所得が一定未満の人に対しては月あたりの自己負担額に上限が設定されています。上限を超えた分は公費で賄われるため、ひと月に上限額以上の医療費を支払う必要がなくなります。
また統合失調症など、高額な治療を長期間続けなければならない人は「重度かつ継続」という区分が適用され、別枠で自己負担額の上限が設定されます。

対象となる方

何らかの精神疾患により、通院による治療を続ける必要がある程度の状態の方が対象となります。 
対象となるのは全ての精神疾患で、次のようなものが含まれます。

  • 統合失調症
  • うつ病、躁うつ病などの気分障害
  • 不安障害
  • 薬物などの精神作用物質による急性中毒又はその依存症
  • 知的障害
  • 強迫性人格障害など「精神病質」
  • てんかん

申請に必要な書類

地元自治体に提出するため、次の申請書類が必要となります。

  • 申請書
  • 主治医の診断書: 医師に用意してもらう必要があります。「重度かつ継続」の場合は診断書の様式が通常と異なる場合もあります。いずれの場合も事前に主治医に自立支援医療を利用したい旨を相談しておきましょう。
  • 世帯所得が確認できる書類: 課税証明書・非課税証明書や生活保護受給証明書など、所得状況を証明する書類
  • 健康保険証

精神障害者保健福祉手帳について

うつ病は長期にわたる治療が必要となるため、日常生活においても様々な制約が生じてきます。これを支援する制度として、「精神障害者保健福祉手帳」があります。これは、うつ病など精神疾患にかかっている患者さんが一定の障害の状態にあることを証明するものです。この手帳を持もつことで、様々な支援を受けることができます。

「精神障害者保健福祉手帳」には障害等級があります。申請じの医師による診断書などにもとづいて審査が行われ、1~3級が決定されます。

1級 日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度
2級 日常生活が著しい生活を受けるが、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度
3級 日常生活もしくは社会生活が制限を受けるが、または日常生活もしくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度

精神障害者保健福祉手帳の支給により、税制上の優遇措置をはじめとする様々な支援を受けることができます。通院に欠かせない電車、バス、タクシーなどの運賃が対象となるほか、様々な公共施設の料金が割引となるサービスもあります。

申請にあたっては、市町村の窓口に医師の診断書などを持参し、申請書に必要事項を記入します。その際、初診時から6ヵ月を経過していることが必須条件となります。

手帳を持つことによる優遇措置税制上の優遇措置として、次のものがあります。

  • 所得税、住民税について、所得金額から障害等級に応じた額が控除される
  • 患者さんが相続した場合、税額から年齢、障害等級に応じた額が控除される
  • うつ病の治療のための通院などに使用される車について、自動車税・軽自動車税・自動車取得税が免税される(※1級で、自立支援医療制度の対象者のみ)

生活保護上の優遇措置

  • すでに生活保護を受給している患者さんで、障害等級が1級または2級で精神障害者保健福祉手帳を持っている場合、障害者加算の対象となる(※初診時から1年6ヵ月を経過している場合)

その他

  • 公共の交通機関を利用する際に無料、割引などの優遇措置がある
  • 携帯電話の基本使用料、通話料が割引となる
  • 駐車禁止規制から除外される(※1級で、自立支援医療制度の対象者のみ)
  • 公共の文化施設などが無料、割引となる

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